僧侶の僧侶じゃないときのお話

いーーーーーっぱい更新できたらいいよね。暇なときにでも読んでよね。

二度見

その日僕は京都から大阪まで帰る為京阪電車に乗り込みました。

出発は出町柳、到着は北浜。1時間近くかかります。

京阪の車両のほとんどは進行方向に向いて2人掛けの椅子がついているタイプです。

そして、僕の座ってる座席から通路を挟んだ反対側に設置されている座席に父母子の三人家族が椅子を向かい合わせに座っていました。

父 空|通
子 母|路

こんな感じで。

その家族の話を聞いているとどうやら目的駅は僕と同じ、この家族も1時間近く電車に揺られることになります。
ただし目的は僕と違って大阪観光、たまの休日に家族水入らずと言った感じでした。

楽しそうに窓の外を覗く子供と母、仕事の疲れからか眠りにつく父…。
何とも幸せそうな光景でした。


しかしそんなこと知るか。と言った様子で次第に混んでくる車内。

埋まってゆく席…



その時、事件は起きました。

電車の椅子は2人掛けが向かい合わせの4人掛け、3人家族と言うことは1席空きます。

運悪く通路側を空けてしまった父は見知らぬ女性の侵入を許してしまいました。

突然の出来事に子供は窓から目を離し、母は向かいに座った女性に「マジか」という顔。
そして、目を覚ました父はコンマ1秒で狸寝入りを始めました。

しかし、その女性は友人が座れていないことが気掛かりで家族から出る微妙なアウェー感には全く動じません。

しばらく眺めていると女性は席を立ちました。ようやく家族でゆっくり出来ると思ったその瞬間、今度はおじいさんがその席に…。

一斉におじいさんを二度見した家族の顔が今も忘れられません。